観光業を志望していたものの、就活はちょうどコロナの猛威が業界を襲っていた時期。第一志望の会社に落ち、途方にくれていたタイミングで地元斜里にある北こぶしリゾートと出会い、入社したのが渡辺だ。「短期留学できることも決め手の一つでした。学生時代に留学していた中国にまた行きたいと思っていたので」。

入社後、最初はフロント業務だけだったが、やがて売店も兼務することに。商品発注やディスプレイ、接客などを担当している。「最初は戸惑いました。でも、今は自分が仕入れを決めた商品が売れることや、お客さまとのやりとりが楽しいんです」。本人曰く「気にする性格」で、お客さまに話しかける際にも必要以上に気を使ってしまう。「でも、いざ話しかけてみると全然大丈夫だったりして。一歩を踏み出す足が重くならなくていいんだ、って感じています」。

渡辺の性格を知る上司からのアドバイスは、「一気に成長しようとせず、ひとつずつやっていこう」。ちなみに、彼女のお辞儀は北こぶしリゾートで最も美しいと評判。支配人が動画に撮ってお手本にするほどだ。一人ひとりに良さがあって、それぞれのペースで個性を少しずつ伸ばしていける土壌がここにはある。