なんでもやってみる男だ。それは彼の体型が物語っている。実はほんの数年前まで外見は別人だった。「10歳くらいの頃からずっと、いわゆる肥満だったんです。人から体型のことを言われるのも嫌になってきたんで、一念発起してダイエットに励みました」。すると3ヶ月間で、なんと20kgの減量に成功。自信がついた金子は「不可能と思っていたこともできる。だったら人生一度きりだから、やりたいことをやってみよう」と決意し、SNSの生配信に取り組み始めた。その企画の１つとして挑戦したのがスケートボードだ。「なので、スケボー歴はまだ正味半年くらいなんですよ。Youtubeで勉強している最中です」とはにかむ。

現在は施設部に所属。ボイラーなどの設備点検・修理などが主な業務だ。以前担当していたフロントの時に、たまたまヘルプで施設部の仕事を手伝ったところ、上長から「金子が欲しい」とご指名が入り、2021年6月に異動した。施設部の仕事は、一通りやってみるのに1年、ある程度仕事がわかるようになるまで3年かかると言われている。しかし、異動して3ヶ月経ったくらいの頃、施設内のファンコンベクターの調子が悪いと同課へ連絡が入る。たまたま先輩が不在のタイミングだったため、彼は一人で出向いて分解し、直してしまった。まだ慣れない業務であれば、普通は誰かが来るのを待つもの。「何かあったら呼べばいいと思っていた」という金子は、まずやってみる姿勢を崩さない。

他の会社の尺度で測れば、金子はちょっと変わった人なのかもしれない。でも、北こぶしリゾートはそれを許容してくれる。「うちは色んな人がいますから」という金子の言葉に説得力がある。「この会社、人間関係がいいんです。会社を辞める時は『卒業』って表現するんじゃないかな。不満があって辞めることはない。そんな気がしています」という彼の言葉は、何よりこの会社の良さを表現しているのではないだろうか。