知床 北こぶしリゾート 2024年度新卒・中途採用サイト | 世界自然遺産知床 北こぶしリゾート

北こぶしリゾートの軌跡と展望を、
社長と専務に語ってもらった。
対談場所として指定されたのはサウナ。
二人が汗だくになったのは、
白熱したトークのせいか、
それともサウナのせいか。

桑島大介

代表取締役社長CEO

桑島敏彦

専務取締役COO

北こぶしリゾートの軌跡と展望を、
社長と専務に語ってもらった。
対談場所として指定されたのはサウナ。
二人が汗だくになったのは、
白熱したトークのせいか、
それともサウナのせいか。

知床でホテルを
営むということ。

さて、社長と専務のお二人に北こぶしリゾートのこれまでとこれからを語ってもらうわけですが…。
社長(以下社):こんな格好ですいません。
専務(以下専):裸で失礼します。
あの…話す場所として、このサウナを指定されたのは…?
社:やはり北こぶし知床の名物ですし。
専:2年連続「サウナシュラン」にランクインしてますから。
それはすごい気がしますが…。
社:何より企業スローガンが「自然であれ。」なので、じゃあ私たちが自然でいられるのはどこかと言われるとサウナだな、と。そう、身も心も裸になって本音で話したいってことで。
「最近忙しくて全然サウナに入れていないから」では決してない…?
社:違います違います。
専:たぶん違います。
それにしてもサウナをはじめとして、ユニークな取り組みを数多く実践されていますね。
専:いや、自分たちとしては全然ユニークだと思っていないんですよ。
社:お客さまに喜んでいただけることが大前提ではありますが、ただただ自分たちが好きなことをやっている感じです。

専:私たちは「数値化できないこと」を大事にしています。例えばサウナをリニューアルするとなると、他の会社なら「じゃあ、それでいくら売上が上がるの?」っていう議論になるはず。でも、それって正直やってみないとわからないですよね。だから、自分たちの感覚や直感を信じたいと思っています。
その感覚や直感って、どう磨くものですか?
専:ひとつは価値を自分の肌で感じることです。だから特に私は外へ積極的に出ようとしています。
そこ詳しく聞かせてください。
専:「お客さまが何に価値を見出すのか」をつかみたいと常々思っています。例えば、最近のホテルはチェックアウトを機械で済ませるところが増えました。一昔前だったら、「おもてなしの心を大事にしています」といった意味でも、フロントスタッフとやりとりしてチェックアウトするのが常識。でも、今やチェックアウトに関して、人との交流に価値を見出すお客様は少なくなってきていると感じています。
社:そういうことを外に出てキャッチするのが、専務の仕事ですね。
なるほど。では、社長自身にとってホテルの仕事とは?
社:まさに天職です。ホテルには空間・食・エンタメ・ファッション・カルチャーなど、「人が生きるすべて」がつまっているわけで。自分のやりたいことを表現できる幅がすごく広い。楽しくて仕方ないですよ。

「人が生きるすべて」を追求していくと、従来のホテル業の枠組みからはみ出しそうですね。
専:そうなんです。でも、私たちは「旅館屋」になる必要はないと思っていますから。
社:知床ってどうしても閑散期と繁忙期の差が激しくて、いかに夏に商売できるかが大事。だからこそ、他社とは戦い方が違うと考えて、色んなことに挑戦しています。結果、ホテル業からはみ出しているようです。
社長と専務の対談をサウナでやる時点で、既にかなりはみ出していますね…。
ところで知床という場所に話が及びましたが、会社にとってどのような存在ですか?
社:切っても切れない関係ですね。でも、個人的に知床の良さがわかったのは、社会人になってから。それも知床に戻ってきて数年くらいは実感がなくて。ただ、自分の故郷だから、ずっとなんとかしたい!っていう気持ちはありました。
専:私はあえて、知床を極力客観的に見ようと思っています。地元地元しないように、というか。
それによって、外から訪れる人たちの気持ちも想像できそうです。
専:そうありたいですね。知床は中途半端な場所ではなく、ある意味振り切った場所。幼少期に過ごした場所が世界遺産になる経験って、誰もが得られるものではないなぁとも思います。
社:私たちはすごい場所にいるんだ、とつくづく感じますね。

見えてきた、
新たな道。

2024年に新しい経営方針を定めたと伺いました。
社:ええ、いわゆる「ミッション・ビジョン・バリュー」を刷新したんです。以前のものは私が社長に就任した2017年に制定したのですが、会社のステージが変わってきたので、刷新することに決めました。
専:「成長したから、もともと着ていた服がちょっと小さくなった」みたいな感じです。
社:2020年に「知床 北こぶしグループ」から「北こぶしリゾート」へと変わり、「知床」という名称を外したこともその一環です。知床を離れるという意味では決してありません。知床を起点にもっと外にも出ていきたいんですよ。自然災害に備えて、知床に一極集中させないというリスクヘッジの観点もあります。 では、新ミッション・ビジョン・バリューをそれぞれ伺えますか?
社:まずミッション。その定義は「私たちが何のために存在しているのか?」を明確にする言葉だと私は解釈しています。私たちの新ミッションは「世界を惹きつけるような、旅する理由をつくり出す。」です。私たちがやっていることって、煎じ詰めれば「わざわざ行きたくなる場所」をつくることなんじゃないかなと。知床っていう普通なら足を運ばないような辺鄙な場所でビジネスをやってきたわけなので。今後それを他地域を含めて実現していく決意です。
では、そのミッションを達成するための手段であるビジョンは?
社:「埋もれていた価値を掘り起こし、地域を輝かせる。」です。どこにあってもいいようなものではなく、その地域全体が元気になるような施設やサービスを生み出す必要があると思っています。
専:これも知床でやってきて力をつけてきたことですね。自分たちだけが良ければいい、のではなく、知床全体が元気になってほしいですから。
では、バリューは?一般に「企業固有の価値観」と呼ばれたりしますが。
社:2つあります。1つ目は「笑顔と挨拶。」。これはずっと昔から従業員に言っていることですね。接客のために必要なことって極論、笑顔と挨拶さえできればOKだと思っていますから。
専:近くで聞いていますが、本当に呪文のように言ってますよね。
社:もう一つのバリューは「なぜ?を大事に。」としました。理由は、ミッションである「旅する理由をつくり出す」ためです。私たちは、「伝統を守って、決められたルールのもと接客をする」みたいな宿ではないですから。「北こぶしリゾートの宿に行きたい!」と思っていただくためには、やはり何かを考えて新しいものを生み出さないと。
専:そもそも宿にまつわる仕事ってすごくクリエイティブなものだと思っています。従業員たちといっしょになって、新しいものをもっともっと生み出せるはずです。そのためには常識を疑う、みたいなことでしょうか?
社:そのとおりです。色々な“常識”がありますが、そこに疑問を感じられるかどうかが、クリエイティブなことを生み出す上では重要。もちろんいきなり「型破りなことをしよう!」っていうわけではありません。まず接客業の基本という「型」を身に着けてもらい、その上でその型を壊していけばいいと思っています。
専:新しく入ってくる人たちには“無責任”に色々考えてもらいたいですよね。私たち経営層はどうしても売上とか雇用とか、色々な責任があるから、知らず知らずのうちに思考が固まっているはず。そこを壊してくれる新しい人にすごく期待しています。
社:まさに「旅館屋」から脱却しようとする今、人材はものすごく重要。しかも色んな人がいたほうが絶対に面白い。 クリエイティブという意味でも、組織の多様性は必要ですよね。
では、人材に対する御社のポリシーは?
社:人材に対して私が心がけているのは「職員をいかに大切にできるか」ということ。これは創業者であるじいちゃんの影響が大きいです。
専:じいちゃんは「もしうちを辞めた人がいても、その人を大切にしなさい。『また知床に遊びにおいでよ』と言えるくらいに」と口すっぱく言ってましたから。今、本当にそう思います。こんなものすごい場所に、わざわざ働きに来てくれるわけですから。
うーん、すごくいい会社に思えてきました。ただ…
社:ただ…?
うーん、すごくいい会社に思えてきました。ただ…専:確かに…。

そこで本誌20pに待遇や福利厚生についてまとめておきました。会社の姿勢が垣間見えると思います。
社:ありがとうございます。
専:あ、最後にひとつ強調したいことが。気になる年収のことです。社長は就任時に「全員、年収500万円以上を実現できるように一緒に頑張ろう」って宣言したんです。業界的には高いハードルでまだ道半ばですが、着実に近づいてきています。
今の姿から当時の様子がイメージできないですが、社長かっこいいですね。
社:その時はちゃんと服を着て話していましたから。頑張る人に報いるためにも、目標年収は本当に達成したいんですよ。
改めて最後に人材について一言。
社:従業員には素直でいてほしいですね。企業スローガンの「自然であれ。」です。確実なのは、これからますます世の中は変わっていくし、会社も変わっていくということ。だから、昔のことにしがみつかずに、素直にスッと変われる人がいいですね。そして何より新しいことを面白がれる人。
専:どんな新しいキャラが仲間としてやってくるのか楽しみです。
では、そろそろ北こぶしリゾートの話は“ととのった”ということで…。
社:私たちも“ととのう”べく、もう1セット※いこうと思います。

※サウナ愛好家たちは「サウナ→水風呂→外気浴」を1セットと呼ぶ。
それを3セット繰り返し、“ととのう”ことをめざすのが基本作法。